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【小川純子の女子ツアーリポート“光と影”】大人の事情!?ファン置き去りの速報ストップ


【小川純子の女子ツアーリポート“光と影”】大人の事情!?ファン置き去りの速報ストップ

2018年03月13日

いつまでこんなことを続けるのだろうか。開幕から二試合が終わった国内女子ツアーに対し、あちこちから怒りの声があがっている。イ・ミニョン(韓国)が優勝した「ダイキンオーキッドレディス」、アン・ソンジュ(韓国)がプレーオフで鈴木愛を下した「ヨコハマタイヤ PRGRレディス」は、いずれも白熱した試合展開だったが、それを伝える方法が時代錯誤のままだったからだ。
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録画でのテレビ放映に配慮して、LPGA公式ウェブサイトのスコア速報がストップしてしまう。もう何年も前から批判を浴びているこの状態は、今年もまったく改善される気配がない。ライブでこそ味わえるスポーツの醍醐味がある。目の前で観戦できれば一番いいが、なかなかそうもいかない。だからこそ、ファンはテレビで試合を見るのを楽しみにしているのだし、ファンを増やすことにつながっている。これまで、日本だけでなく各国のゴルフツアーの隆盛にテレビは大きな役割を果たしてきた。
ゴルフの試合は終了時間がはっきりしないことや、他のコンテンツとのバランスなどのさまざまな事情で、生ではなく録画で放送されることが多いのが現状だ。ただ、生放送できないのはあくまでもテレビ局側の事情に過ぎない。インターネット全盛時代の現代において、公式サイトのスコア速報がストップするいいわけにはならない。
テレビ局側としては「事前に結果がわかってしまっては(録画放送の)視聴率が落ちる」と考えている。しかしトーナメント関係者の中には「そんな証拠はどこにもありません」と証言する。確かに、その日の天候や前日までの上位選手、裏番組などすべてが同じ条件でなければ視聴率の比較などできない。それでも、試合結果がわかっていても試合を見るファンも少なくないし、必ずしも視聴率が落ちるとはいい切れない。それでも「マイナス要因は少しでも取り除きたい」というテレビ局側は主張する。だが、他のスポーツでテレビ放送のためにインターネット上のスコア(成績)速報が止まる例など「聞いたことがない」(ツアー関係者)。なぜ、ゴルフだけこんなことが起こるのか。
ツアーが、ファンのほうを向いていないから、というのがその答えになる。ファン心理とテレビ局の事情の板挟みに置かれたツアーは、どちらを向くべきか。ファンに決まっているのに、それがわかっていない。お願いするなり強気に出るなりしてテレビ局の慣例を突き動かし、ライブ速報を死守する努力は、全く見えてこない。
テレビ放送で使用するホールに選手がさしかかると、「ご覧のリアルタイム速報は、本日のテレビ放送終了まで停止させていただきます。ご了承ください。」という言葉がサイト内に現れる。一文だけで、ファンにお預けを食らわせる。こんな失礼な話はない。「了承できません」といいたくなり、ファン離れにもつながりかねない。
現実には当ALBA.Netも含めたウェブメディアや、現地にいるファンの報告(SNSなど)でいくらでも先に結果を知ることができる。公式サイトがストップすることには、テレビ局へのアリバイ作りという意味くらいしかない。速報が止まることを知っているファンは、公式サイトなど見ない。これでは、サイトの存在意義も問われることになる。
LPGAツアーの年間38試合のうち、LPGAが単独で主催している試合はごくわずか。それ以外は主催者が他におり、その多くで、テレビ局は主催者として名を連ねている。ここに大人の事情が見え隠れする。テレビ曲の意向が反映されることが多いのだ。
しかし、これも、ファンにとってはどうでもいい話。SNSの普及で、リアルタイムで双方向のやり取りができる時代に、言語道断の“お預け”行為だ。結果がわかったことでもし、視聴率が下がることがあるなら(前述のように誰にも証明できないのだが)ツアー人気はその程度だと思ったほうがいい。それでもテレビ局が録画中継を続けるか、生中継に変えるのか、やめてしまうのか。テレビのコンテンツとしての女子ツアーの価値がそれでわかるというものだ。
インターネット中継が行われる試合も徐々に増えており、リアルタイムが基本。しかし、地上波が入る週末にはそうでなくなった例もあったため「それなら地上波などいらない」という声が一部ファンから起こったこともある。こうした過去を経て、インターネットと地上波、BSがうまくつながって、ライブを楽しめる試合も出てきている。地上波の中でも「なるべく生放送で、スコア速報が止めるようなことをしたくない」と話す関係者もおり、今後に改善が見込めるかどうかは、そういう関係者が主導権を握っていけるかどうかにかかる。
歴史的にテレビ、中でも地上波が、社会に与えてきた影響が大きいことは否定しない。だが、時代は変わった。ファンが何を求めているかを敏感に感じ取り、それを追求すること。それこそがエンターテイメントビジネスで最も大事なことのはずだ。目先の「主催者の意向」と「ファンの求めているもの」を天秤にかければ、どちらが重いかはいうまでもない。いや、そもそも天秤にかけることが必要などないことを理解して初めて、女子ツアーの将来が開けてくる。(小川純子)


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