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木村翔の世界戦、異例の中国国営放送が全土で生中継


木村翔の世界戦、異例の中国国営放送が全土で生中継

2019年05月15日

◆プロボクシング ダブル世界戦 ▽WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者・カルロス・カニサレス―同級2位・木村翔(5月26日、中国・撫州)

 前WBO世界フライ級王者で、WBAライトフライ級2位の木村翔(30)=青木=が14日、都内で会見し、26日に中国・江西省撫州市でWBA世界ライトフライ級王者カルロス・カニサレス(26)=ベネズエラ=に挑戦すると発表した。木村は中国で大人気のため、この試合が急きょ国営テレビの中国中央電視台(CCTV)で異例の全国生中継が決定。「ホームのような感じ」の大声援を受け、1階級落としての2階級制覇を狙う。

 「この試合がCCTVで生中継されることになりました」―。木村の会見に先立ち、日本ボクシングコミッションの安河内剛事務局長が“朗報”をもたらした。メインは中国のWBA世界フェザー級王者・徐燦(シュ・チャン)に前WBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(真正)が挑戦するカードで、カニサレス―木村戦はセミファイナル。だがCCTVでは通常番組を前後にずらし、急きょ木村戦を含めた2時間半の枠で全国生中継を決めたという。木村は「セミでも全国中継ですか? ありがたいですね」と喜んだ。

 安河内事務局長は「極めて異例だと思います。木村選手の中国での人気はすごい。ボクシングだけではなく、彼の男気あふれる行動や生き方などが共感を呼んだようです」と分析する。17年7月、上海でWBO世界フライ級王者・鄒市明(ゾウ・シミン)をTKOで下し王座奪取。2008年北京、12年ロンドン五輪ライトフライ級2連覇の英雄を破った。流血も顧みず敗者をいたわる姿が感動を呼んだ。昔はやんちゃで、バイトをしながら頂点に上り詰めたストーリーも中国国民を感動させた。

 以来、人気は急上昇し、中国版ツイッターと言われる微博でも自らのチャンネルを持つことが許されている。「最初はヒールだったんですけど。今では中国での試合にアウェー感はない。むしろホームのような感じになる」。ヒールがヒーローになった。中国の人口は約13億9000万人。億単位の人が試合を見る可能性もある。

 「ジムにも中国の方が来られますよ。最近は事前に電話をしてきて見学を希望する人も」と青木ジムの有吉将之会長(45)。木村は「昨日も一昨日も(中国の人が)来ました。チャンピオンを倒してベルトを持ち帰ることしか考えない。無敗だけど無敵ではないと思う。黒星を付けます」と気を引き締めた。スタンドからの「加油(中国語で頑張れ)」が、木村にパワーを加えそうだ。(谷口 隆俊)

 ◆木村 翔(きむら・しょう)1988年11月24日、埼玉・熊谷市生まれ。30歳。2013年4月にプロデビュー(1回KO負け)。2分けを挟んで14連勝(7KO)し、16年11月にWBOアジア・パシフィックフライ級王座を獲得。17年7月に中国で世界初挑戦ながらWBO王座奪取。2度防衛後の18年9月、田中恒成(畑中)に判定負けし、王座を失った。今年3月の復帰戦で勝利。戦績は22戦18勝(11KO)2敗2分け。身長165センチの右ファイター。


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